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官民連携や広域化で水道の基盤を強固に 

2016/11/26 3:30日本経済新聞 社説

「道路など様々なインフラの老朽化が問題になっているが、私たちの暮らしと命を支える水道も例外ではない。水道管が破裂し、道路が水浸しになる事故も珍しくない。事業規模の拡大や官民連携の加速による水道事業の基盤強化が待ったなしの課題だ。 日本の水道システムは国際比較で見ると漏水が少なく、料金も総じて安価だ。水質や味についても、東京都水道局がペットボトル詰めの水道水を売り出して人気を呼ぶなど評価は高い。 だが、最大の問題は今の水道システムが今後も維持できるかどうか不透明なことだ。 水道サービスの担い手は市町村が中心で、全国に1400近い事業体がある。うち半数は給水コストを水道料金でまかなえない原価割れの状態で、「水道は独立採算」の原則が揺らいでいる。 さらに今後は人口減による水需要の減少が見込まれる一方で、高度成長期に整備された水道管や浄水場が更新期を迎え、維持コストは膨らむ見通しだ。 人の面でも不安がある。中小の市町村では水質管理や管路保全に携わる技術系職員が高齢化し、若い人の補充もままならない。 問題解決の一つの方策が複数の市町村による広域連携だ。事業規模の拡大によってコスト低減の余地が広がり、投資体力も増す。職場としての魅力が高まれば、専門職員の採用も容易になり、事業基盤は確実に強化されるはずだ。 埼玉県や群馬県では既に事業統合に踏み切る自治体が現れた。厚生労働省や各都道府県も統合を促す手立てを講じるべきだ。

 もう一つの道は「民」のノウハウの活用だ。三菱商事などが出資する水サービス専門会社の水ing(東京・港)は広島県企業局と共同出資会社をつくり、業務の効率化などに成果を上げている。 空港などで導入している、公的設備の運営を長期にわたって民間企業に委ねるコンセッション方式の手法を水道事業でも積極的に活用したい。意欲ある公営事業体の民営化も検討事項である。 設備の更新費用を捻出するために水道料金の値上げは避けられないという見方が多いが、こうした改革を進めることで、値上げ幅の圧縮が可能になるだろう。 官民連携によって国際競争力を持ったプレーヤーが育つ効果も期待したい。インフラの海外展開は日本の成長戦略の柱の一つだ。」

●水道事業の広域化、都道府県ごとに再編計画要請  厚労省、助成制度を検討

2017/3/5 1:30 日本経済新聞 電子版

「厚生労働省は市町村などが手掛ける水道事業の広域化を促進する。都道府県ごとに再編計画の策定を求め、助成制度を検討する。今通常国会に提出する水道法改正案に盛り込み、2018年度の施行をめざす。水道は人口減で需要の減少が続き、老朽化した設備更新負担も重い。経営規模を拡大し、ライフラインである水道網を維持する。

 水道事業は主に市町村が担い、事業者は全国に約1400ある。人口減を背景に水道需要が減少しており、このうち半数以上が赤字体質だ。

 改正案では都道府県が広域連携の推進役になることを明記。市町村間の事業の統合や施設の共有といった計画を作ったり、連携のあり方を協議する場を設けたりできるようにする。今後は中核自治体が周辺と統合しやすいよう助成制度も拡充する方針だ。詳細を詰め、18年度予算で要求する。

 一部の地域では統合の動きもある。香川県は県内16市町と来年4月、水道事業を統合し「県域1水道」にする。約70ある浄水場を半減し、人件費などを削減する。14年時点の試算では約30年で700億円以上の費用を削減する見込み。東京都は23区に加え、多摩地域の26市町の水道事業を一元化している。ただ、経営状態が悪い自治体は敬遠されるなど足並みがそろわない地域も多く、法改正で全国的に進める。

 厚労省によると水道事業は高度経済成長が続いた1970年代に整備され、国内総延長は約66万キロメートル。40年後には人口が約3割減り、水需要も4割減ると推計している。」

●水道の広域化促進へ法改正案を閣議決定 (日本経済新聞2017/3/7 10:34)

「政府は7日、市町村などが手掛ける水道事業の統合・広域化を促進する水道法改正案を閣議決定した。都道府県に再編計画の策定を求め、経営規模の拡大によって設備更新などに対応できるようにする。今国会での成立、2018年度の施行を目指す。

 市町村が主に担う水道事業は人口減などを背景に赤字体質のところが多い。都道府県を広域連携の推進役とし、経営基盤の強化を通じて水道網の維持につなげる。法改正を踏まえ、給水人口が少ない市町村と事業統合する中核都市への助成を拡充する方針。18年度予算で要求する。」

●水道・病院の再編提言 諮問会議、地方行財政を点検 

2017/5/11 20:01 日本経済新聞

「政府の経済財政諮問会議は11日、地方の行政・財政の問題点を点検した。民間議員は水道や病院などの地方公営事業の広域化や再編を提言した。採算の低い経営体制を見直し、公営企業に毎年3兆円が他の会計から充当されている現状の是正を訴えた。地方自治体が、財政調整基金などでためた資金が21兆円まで増えていることの原因究明も総務省に要請した。

 地方行政では社会保障などの分野で、自治体ごとにサービスの量と質に大きな差があることを問題視した。今後、人口減少が進めば、採算悪化や格差拡大がさらに進む可能性がある。民間議員は経営体制の「見える化」と外部人材の登用の必要性を提起し、全国で小規模を中心に8000超ある公営企業の「事業の広域化や経営統合、再編を加速すべき」と訴えた。

 財政では不採算などを理由に、公営企業に他会計から繰り入れられる金額が年間3兆円を超えることを問題視。そのうち上下水道が2兆円、病院が7000億円程度を占める。議員は水道事業の広域化と、同じ地域でも私的な病院との収支差が大きい公立病院の改革を促した。

 民間議員が示した、財政調整基金などに積み上がった地方の資金が21兆円を超えるデータも波紋を呼んだ。民間議員は「使い切れる金額を超えている印象がある。自治体は説明責任を果たすべきだ」と発言し、地方財政計画の見直しを通じて、国と地方の配分の見直しを求めた。安倍晋三首相は「地方における各種基金の実態をしっかりと分析してもらいたい」と述べた。」

・米国のFRBは、すでに金融緩和を完全に終了して利上げの機会をうかがっています。・欧州のECBは、来年には金融緩和を中止して金融引き締めに入ることになっています。・日本だけは、現政権の支持率を落とさないため、量的金融緩和を続行することを決めています。