『実践 自治体財政の経済分析』(連載0)

このシリーズは追手門学院大学経済学部教授、経済学博士の衣笠 達夫先生による自治体財政の経済分析のお勉強です。テキストは「『実践 自治体財政の経済分析』(株)中央経済社 2013年10月10日第1版第1刷」です。

衣笠先生は「公益事業」ということについて、いろいろなご本を著していらっしゃいますが、その中でも「原子力発電所と市町村財政」というレポートは、原発立地自治体が抱える問題と、国の原発立地自治体に対する考え方を考察する上で、非常に参考になるレポートでした。それはインターネット上で公開されていますので、ご興味があれば是非参照してみてください。

この本は、はしがきで著者である衣笠先生も述べておられるように、関西の地方自治体職員の研修用のテキストがもとになっているが、そのことでもわかるように「実践的」に地方公共団体の財政分析を行うためのガイドとして位置づけられておられます。

また、先生は「自治体において経営概念が導入されて久しい。しかし筆者(衣笠先生)は自治体への経営概念の単純な導入については疑問を持っている」と書いておられます。その意味は地方自治体の財政運営において、単純に「費用最小化行動」をとったり、「コストカット」のための経営分析をしたりすることでは自治体財政分析には不十分であり、さらにそれに加えて「市民の経済厚生をも考慮した経済分析の必要性がある」と教えられています。

本書の構成についてあらかじめ要約しておきます。

第1章 地方公共団体とはどのような仕事をしているのか?

第2章 地方公共団体の予算書を読むために市民として得ておくべき基礎的知識

第3章 市町村職員の給料について、高いのか安いのか

第4章〜第6章 地方税・交付税・補助金・地方債等についての基礎的理解

第7章 決算書を読むための基礎

第8章 現実の決算統計・決算カードを読んでみる

第9章 以上の知識に基づいて財政診断のための基礎的指標を理解する

以上のような構成になっています。第8章にウェイトが置かれています。

次回からは各章建てにしたがい、勉強してまいりましょう。わたし自身もどんな学びになるか、非常に楽しみです。それでは皆さん、頑張って学んでいきましょう。 

今回は以上です。

次回は、「第1章 地方公共団体の仕事」について勉強していこうと思っています。