『実践 自治体財政の経済分析』(連載7)

今回はテキストの「第7章 決算書を読むための基礎知識」について学びます。

学習のポイント:現実の地方公共団体の決算書はまことに読みにくい。新人の市会議員でも読みこなすのは難しい。まして市民がこれを読みこなすことは難しい。これを読みこなすことができるように、本章と次章で詳しく学んでいきましょう。

1 決算書の仕組み

市町村の決算書の財務分類は、目的別分類と性質別分類に分けられる。目的別分類とは、議会費、総務費、民生費、衛生費、労働費、農林水産費、商工費、土木費、消防費、教育費、災害復旧費、公債費、諸支出費などのように公共団体の組織的分類と同じものであり、これに対して性質的分類は、各目的別分類の中からたとえば人件費のみを取り出してきて分類したものである。一般に市町村長が予算編成を行なう意思決定時点では、組織別すなわち目的別予算分類にしたがって行われ、これを事後的に分類しなおしたものが性質別分類である。 

2 手続きと内容

① 決算の流れ

市町村の会計年度は、毎年4月から翌年3月までの期間である。

4月から5月の間は出納整理期間となり、5月31日の出納閉鎖期日まで決算の会計処理を行う。国や都道府県からの補助金の収入や、借金(地方債)の借入手続き箱に時期に集中することが多い。

5月31日の出納閉鎖期日以降、歳入歳出決算書をまず作成する。

その次に、地方公共団体が行ったさまざまな仕事についての成果をまとめる(主要な施策の成果報告書等と呼ばれることが多い)。

8月には監査委員による決算審査。

9月には定例議会の決算委員会における決算内容審議が行われ、問題がなければ正式に認定される。

決算の結果は、10月から11月頃の市町村の『広報』等で公表される。

② 決算統計と決算資料

市町村では決算の会計処理終了後の6月から7月にかけて、「地方財政状況調査」(決算統計)を作成する。市町村長はこの決算資料を決算の認定を受ける際、資料として議会の決算委員会(9月)に提出する。その内容は以下の通りである。

  1 決算の概要や財政指標の動き

  2 財政状況や仕事の結果(成果)

  3 会計ごとの歳入・歳出の内訳(一般会計・特別会計)

ここで注意するべきは、予算は議会の本会議で報告・承認・策定されるが、決算は決算委員会で報告・承認されるだけであるということである。地方公共団体において最も重要なものは予算であって、決算は、法令に違反することなく事務・事業が遂行されたかどうかを確認するためだけのものである。

ちょっと、テキストから離れますが、ここに私企業と公的機関との予算と決算についての違いがはっきりと現れています。予算というものに対する公的機関と企業との違いについて、ピーター・ファーディナンド・ドラッカーの『マネジメント』から引用します。

「予算から支払いを受けるということが、成果と業績の意味を変える。予算型組織では、成果とはより多くの予算獲得である。業績とは、予算を維持ないし増加させることである。したがって、成果という言葉の通常の意味、すなわち市場への貢献や目標の達成は二義的となる。予算の獲得こそ、予算型 組織の成果を測る第一の判定基準であり、存続のための第一の要件となる。しかるに予算というものは、そもそもの性格からして、貢献ではなく目論見に関わるものにほかならない。」P F ドラッカー. マネジメント[エッセンシャル版] (Kindle の位置No.700-704). ダイヤモンド社. Kindle 版. 

ゆえに、公共団体の財政状況報告(成果報告)は、組織の存続維持発展に重点が置かれているということに注意する必要があるでしょう。

「    成果 を あげる なかれ

 いかに大切さを説いたとしても、予算型組織においては効率やコスト管理 は美徳ではない。予算型組織の地位は、予算の規模と人の数で計られる。より少ない予算や、より少ない人間で成果をあげても業績とはされない。むしろ組織を危うくしかねない。予算を使い切らなければ、次の年度には予算を 減らせると議会や役員会に思わせるだけである。しかも予算型組織では、効率よりも成果のほうが危うくされる。われわれの事業は何かとの問いは、常に危険である。論議をまき起こす。そうそうして起こる論議は、関係当事者間に対立をもたらす。もちろん論議は避けたい。そこで国民と自らをあざむかなければならなくなる。予算に依存することは、優先順位をつけ、活動 を集中する妨げとなる。しかし、優先順位の高い目標に資源を集中すること なしに、成果をあげることはできない。そのうえ予算に依存することは、まちがったもの、古くなったもの、 陳腐化したものの廃棄を難しくする。その結果、公的機関は、非生産的な仕事に関わりを持つ者を大勢抱えることに なる。いかなる組織といえども、行っていることの廃棄を好まない。企業とて例外ではない。しかし企業は、成果と業績に対して支払いを受けており、非生産的な陳腐化したものは遅かれ早かれ顧客によって葬られる。予算型組織はそのようなテストを受けない。それどころか、すでに行っていることは 高潔であるに決まっており、公益に合致するに決まっているとされる。したがって今日、あらゆるサービス機関が守るべき原則は、「現在行っている ことは永遠に続けるべきものである」ではなく、「 現在行っていること は、かなり近いうちに廃棄すべきものである」でなければならない。人は、 報われ方に応じて行動する。それは、報酬、昇進、メダル、ほめ言葉のいずれであっても変わらない。予算型組織も、その支払いの受け方のゆえに、 貢献ではなく予算を生み出すものこそ成果であり業績であると誤解する。 これが予算型組織に特有の性質である。」P F ドラッカー. マネジメント[エッセンシャル版] (Kindle の位置No.705-723). ダイヤモンド社. Kindle 版.  

予算型組織特有の性質に関する重要部分を抜き出してみます。

1 予算型組織では、成果とはより多くの予算獲得である。業績とは、予算を維持ないし増加させることである。

2 そのうえ予算に依存することは、まちがったもの、古くなったもの、 陳腐化したものの廃棄を難しくする。その結果、公的機関は、非生産的な仕事に関わりを持つ者を大勢抱えることに なる。

3 予算型組織はそのようなテストを受けない。それどころか、すでに行っていることは 高潔であるに決まっており、公益に合致するに決まっているとされる。

4 予算型組織も、その支払いの受け方のゆえに、 貢献ではなく予算を生み出すものこそ成果であり業績であると誤解する。

地方公共団体の予算編成においても、ドラッカーがいうように、予算型組織である地方公共団体が予算獲得、維持、増加を第一目的とし、それを費やす事業が生み出す社会的効果や貢献度合いが低かろうと、そのための大量の資源を抱えようと、予算を生み出すものを第一とする予算編成、事業経営が行われている可能性は大きいといえるでしょう。

それではまた本テキストに戻ります。

3 会計区分

決算状況報告書に出てくる各費目の概説です。

【目的別歳出内訳】

議会費——議会に係るすべての経費

総務費——本庁舎、公会堂、市民会館などの維持管理費・建設費、徴税費、戸籍、住民基本台帳、選挙費、統計調査費、監査委員費

民生費:——社会福祉費、老人福祉費、児童福祉費、生活保護費、災害救助費

衛生費——保健衛生費、結核対策費、保健所費、清掃費(ごみ収集、運搬施設費)

労働費——失業対策費、雇用促進等の経費

農林水産費——農業日、畜産業費、農地費(土地改良費、土壌改良費)、農業集落排水事業・簡易排水事業会計への繰出金、林業費(造林、林道整備)、水産業費(漁港建設費、漁港施設維持管理費)

商工費——工業団地造成費、消費者行政・中小企業関係経費、観光施設建設事業費

土木費——土木管理費、道路橋梁費、河川費、港湾費、都市計画費、住宅費、空港費

消防費——消防・防災・水防経費

教育費——教育総務費、小学校費、中学校費、高等学校費、特殊学校費、幼稚園費、社会教育費、保健体育費、大学費

災害復旧費——農林水産施設災害復旧費、公共土木施設災害復旧費、その他

公債費——地方債の元利償還費、都道府県からの貸付金の元利償還費、一時借入金利子

諸支出金——普通財産取得費、公営事業費、各種基金積立金

【性質別歳出内訳】

<経常的経費>

(義務的経費)

人件費——議員報酬手当、市町村長等特別職の給与、職員給、退職金、職員互助会補助金など

扶助費——生活保護法・児童福祉法・老人福祉法などに基づき、高齢者、児童、障害者等に対して行う援助費、生活扶助、教育扶助、医療扶助、住宅補助など

公債費——地方債の元利償還金、一時借入金利子、都道府県からの貸付金の返還金およびその利子

(その他の経費)

物件費——旅費、交際費、需用費、役務費、備品購入費、委託費など

維持補修費——庁舎、小中学校、その他公共施設の維持管理費

補助費——一部事務組合・公営企業・民間団体等への補助金や負担金等。物件費に含まれない報償費や委託料、火災保険料など

繰出金——一般会計から特別会計(国民健康保険会計、収益事業会計)への経常的な資金繰り出し(運転資金、事務費、赤字補てんなど)

<経常的経費以外の経費>(臨時的経費)

(投資的経費)

普通建設事業費——施設の増改築など形状・構造を改良し、効用を増加させるもの

災害復旧事業費——補助事業と単独事業がある(公共事業のうち,地方公共団体が国の援助を受けずに,地域の実情に応じて自主的に実施する事業のこと。公共事業直轄事業補助事業,地方単独事業に分かれるが,地方単独事業は住民生活にとって身近な道路,公園などの整備や,街路整備など地域の特性を生かした町づくりに役立つ事業が中心になっている。)

失業対策事業費——多数の失業者の発生に対し、失業者に臨時的に就業の機会を与え、道路の整備や工業、住宅団地の造成、河川、公園の清掃等の事業を国または地方公共団体が実施する失業対策事業

(その他の経費)

積立金——財政調整基金、減債基金、その他特定目的基金

投資・出資金・貸付金——債権、株式の取得、法適用公営事業会計に対する出資金、公社・公団、地方開発事業団、地方公営企業に対する貸付金

前年度繰上充用——前年度の歳入が歳出に対して不足する場合、当年度の歳入を繰り上げて、前年度の歳入に充当

4 財政用語

(1) 地方税——都道府県税、市町村税の二つがある

(2) 地方交付税——地方公共団体の税源の不均衡を調整することによって、地方勢収入の少ない団体にも財源を保障し、どの地域においても一定の行政サービスを提供できるように一定割合の額を、国が地方公共団体に対して交付するもので、普通交付税と特別交付税がある。地方交付税は、所得税・酒税の32%、法人税の35.8%、消費税の29.5%、たばこ税の25%に法定されている。

  ① 普通交付税——基準財政収入額と基準財政需要額の差が一般財源不足額=普通交付税となる。毎年度4月1日より算定し8月31日に普通地方交付税の交付額決定が行われる。

  ② 特別交付税——地方交付税の6%に相当する額で、特別の財政需要等を勘案して、毎年度12月に30%、3月に70%が交付される。

(3) 地方債——平成13年度からは地方財源不足対策として普通交付税の一部振り替えである「臨時財政対策債」が、平成29年度も発行されている。(参照:平成29年度地方財政計画の概要ー総務省自治財政局

(4) 一般財源——使途が特定されず、どの経費にも自由に充当できる収入で、地方税・地方譲与税・地方交付税・利子割交付金・配当割交付金・株式等譲渡取得割交付金・地方消費税交付金・特別地方消費税交付金・ゴルフ場利用税交付金・自動車取得税交付金および地方特例交付金をいう。特に、地方税および地方交付税をもって一般財源を代表させることが多い。

(5) 特定財源——財源の使途が特定されている財源のこと。分担金および負担金・使用料および手数料・財産収入・寄附金・繰入金・諸収入・国庫支出金・県支出金・市債とされている。

(6) 自主財源——市町村が自主的に収入するもので地方税、分担金および負担金・使用料および手数料・財産収入・寄附金・繰入金・諸収入とされている。

(7) 依存財源——自主財源に対する区分で、国や県の意思決定に基づき収入されるもので地方譲与税・地方交付税・地方特例交付金・国庫支出金・県支出金・地方債および各種交付金とされている。

(8) 義務的経費——人件費や扶助費、公債費など任意に削減できない極めて硬直性が高い経費こと

  ① 人件費(うち職員給)——議員報酬手当・委員等報酬・市町村長等特別職の給与・職員給・地方公務員共済組合負担金・退職金・退職年金等・災害補償費・職員互助会補助金・その他が計上されている。

  ② 扶助費——生活保護法・児童福祉法・老人福祉法等の社会保障関連法に基づき、高齢者、児童、障害者等に対して行う扶助(援助)の経費が計上されている。

  ③ 公債費——地方債の元利償還金、一時借入金利子、都道府県からの貸付金の返還金およびその利子が計上される。

(9) 投資的経費——社会資本の整備に要する経費

  ① 普通建設事業費

  ② 災害復旧事業費

  ③ 失業対策事業費

(10) 経常的経費——年々持続して継続的に支出される経費をいう。人件費・物件費・維持補修費・扶助費・補助秘湯・繰出金および公債費。削減にあたっては行政サービスを低下させないよう注意が必要である。

(11) 基準財政収入額——以下により算定される。

 (法定普通税+税交付金〔自動車取得税交付金等〕+地方特例交付金)×75%+地方譲与税+交通安全対策特別交付金

(12) 基準財政需要額——以下の算定式により計算されたもの。

基準財政需要額=単位費用×測定単位×補正係数

  ただし、単位費用=測定単位(例:市道1メートル)当たりの費用。

  測定単位=その地方公共団体における状況(例:市道総延長100キロメートル)

  補正係数=寒冷降雪の状況等に応じた係数

(13) 財政調整基金——地方公共団体における年度間の財源の不均衡を調整するための基金のこと。

(14) 単独事業——国庫補助を受けないで地方公共団体が単独で行う事業。地方自治の確立の面からはその割合が高まることが望まれる。

(15) 債務負担行為——複数年にわたる契約や在学中の奨学金など、こう年度の支出が確実なものについて、内容、期間、限度額を定め、将来の支出を担保する行為をいう。予算の一部を構成するものであり、議会の議決を要する。

(16) 臨時財政対策債——地方の財源不足を補填するために、地方交付税の一部を振り替えて発行される特例地方債(元利償還金はこう年度の普通交付税で全額措置される)を指す。

(17) 決算収支——当該年度に属するべき収入と支出との実質的な差額を見るもので、(形式収支ー翌年度に繰越すべき財源)により求め多額である。この場合の「翌年度に繰越すべき財源」とは通常の繰越のほか、事業繰越及び支払繰り延べに係る財源が加えられている。実質収支がマイナスになれば赤字団体と称される。

  ① 実質収支——歳入歳出差引額(形式収支)ー翌年度に繰越すべき財源

  ② 単年度収支——実質収支は前年度以前からの収支の累積であるので、その影響を控除したものである。当該年度だけの収支を捉えるもので、(当該年度の実質収支ー前年度の実質収支)より求められ多額のことである。歳入歳出の中の実質的な黒字・赤字要素が措置されなかったとした場合の単年度収支を検証するもので、以下の数式で算出される。

当年度の実質収支ー前年度の実質収支

  ③ 実質単年度収支——単年度収支から実質的な黒字要素を加え、赤字要素を差し引いた額であり、次式で算出される。

単年度収支+財政調整基金積立額+繰上償還額ー財政調整基金取崩額

(18) 実質収支比率——標準財政規模((20)を参照)に対する実質収支額の割合をいう。一般的には3〜5%が望ましいとされる。

(実質収支額÷標準財政規模)×100   (%)

(19) 経常収支比率——経常経費(人件費・扶助費・公債費等)に充当された一般財源を経常一般財源総額で除した比率であり、通常財政構造の良否を判断する指標に使われる。一般的には75%程度が妥当と考えられ、これが80%を超えると、その団体は弾力性を失いつつあると考えられる。

経常経費充当一般財源額÷(経常一般財源額〔地方税+普通交付税等〕+減税補填債+臨時財政対策債)×100    (%)

(20) 標準財政規模——地方公共団体の標準的な状態で通常収入されるであろう経常的一般財源の規模を示すもので、標準税収入額等に普通交付税を加算した額なお、地方財政法施行令附則第11条第3項の規定により、臨時財政対策債〔地方一般財源の不足に対処するため、投資的経費以外の経費にも充てられる地方財政法第5条の特例として発行される地方債〕の発行可能額についても含まれる。

(21) 標準税収入額——地方交付税法の規定に基づき算定された基準財政収入額の基準税額の75%。地方公共団体の標準的な税収入額を表す。

(22) 経常一般財源比率——経常一般財源の標準財政規模に対する比率。この比率が高いほど歳入構造に ゆとりがあることを示しています。100%を超える度合いが高いほど良いこ とになります。経常一般財源は,毎年度連続して経常的に収入される財源のう ち,その使途が特定されず自由に使用できる収入のことで, 普通税 地方 譲与税 普通交付税 各種交付金等の合計。

(23) 公債費比率——交際費の一般財源に占める割合のこと。この比率が10%を越さないことが望ましいとされている。

(24) 公債費負担比率

(公債費充当一般財源÷一般財源総額)×100    (%)

(25) 実質公債費比率——地方公共団体の借入金(地方債)の返済額(公債費)の大きさを、その地方公共団体の財政規模に対する割合で表したものです。

実質公債費比率

特に平成18年度から地方債許可制度が協議制度に移行した。このため従来の公債費比率や起債制限比率に代わり、この実質公債費比率という新しい比率で起債制限等を行うこととされている。

〈地方債同意基準〉

18%未満・・・事前協議のうえ、自由に起債できる。

18%〜25%未満・・・総務大臣または都道府県知事の許可が必要となる。

25〜35%未満・・・一般単独事業(一般・地域活性化・地域再生事業に限る)及び公共用地先行取得等事業の起債が制限される。財政健全化団体指定。

35%以上・・・上記の事業に加え、災害関連等の一部を除く一般公共事業等の起債が制限される。財政再生団体指定。

(26) 起債制限比率(参考)——平成17年度までの地方債の許可制限に係る指標として規定されていたもので、省略する。

(27) 財政力指数——地方公共団体が標準的な行政活動を行うのに必要な財源を、どれだけ自力で調達できるかを表す財政力を示す指数として用いられるものである地方公共団体の財政力を示す指標として用いられる指数であり、基準財政収入額基準財政需要額で除した数値である。通常は過去3カ年の平均値を指す。

この数値が1を上回り大きくなるほど一般財源に余裕があると言え、1を下回ると一般財源不足の状態と言える。

平成27年度地方公共団体の主要財政指標はここで調べられる。

結果を見ると東京都は一位の1。ついで愛知県、神奈川県が共に0.9となっている。下位は島根県、高知県、鳥取県で0.25である。

同じことを市町村で見ると第一は2.09で愛知県の飛島村(臨海工業地帯・造船鉄鋼産業地)、二位は北海道の泊村(原発立地自治体)の1.81、三位は青森県六ケ所村(原発立地自治体)で1.62となっている。

(28) 決算状況調書(決算カード)——決算状況調書(決算カード)とは、「平成○年度決算状況」という個々の市町村の地方公共団体普通会計決算の資料名である。「決算カード」は、この「地方財政状況調査表」の要約版である。地方公共団体では、前年度の決算状況について、7月に総務省へ調査資料の提出を求められているので、前年度決算についての「決算カード」、「地方財政状況調査表」とも、7月末には作成完了している。しかし公表は、各地方公共団体における決算委員会の終了後になるため、地方公共団体によってばらばらであり、ほぼ10月末から11月中旬になる。

(29) 税制状況資料集——100ページを越える「決算書」や70ページ程度の「地方財政状況調査表」に代えて、各地方公共団体においては、これまで「財政状況一覧表」が作成されていた。この表と上述の決算カードがあれば、ほとんどの財政分析は可能である。この従来の「財政状況一覧表」に替わって、平成23年度から10ページものの「財政状況資料集」が、各地方公共団体において作成されるようになった。

以上で「第7章 決算書を読むための基礎知識」は終わりです。

次回は、「第8章 実際に予算書、決算書を読む」を勉強します。