『実践 自治体財政の経済分析』(連載4)

今回はテキストの「第4章 市町村財源<1>——地方税」について学びます。

連載5、6、7にかけて地方公共団体の収入である財源について学びます。「地方税」は公共団体にとって自前で調達できる自主財源であり、用途・使途を制限されない財源(一般財源)です。

1 住民税

住民税は、地域社会の費用をできるだけ多くの住民に分担してもらう、という性格をもっている税金である。

住民税は、個人だけでなく会社などの法人も地方公共団体から行政サービスを受けているという考えにより、住民税が課税される。これを法人住民税という。

住民税は通常、前年の所得金額に応じて課税される「所得割」と、所得金額にかかわらず定額で課税される「均等割」というものを合算する。なお、専業主婦や学生のように所得のない人や生活保護を受けている人、前年の所得が一定金額以下の人などには非課税となるケースもある。

「所得割」の税額の計算方法は以下のとおり。

所得割額=(前年の総所得金額ー所得控除額)×税率ー税額控除額

住民税を納める方法はサラリーマンとそうでない人とで異なり、それぞれ特別徴収、普通徴収という。

○ 特別徴収——給与所得者については、給与を支払う者(事業主)が、その年の6月から翌年の5月までの12回に分けて給与から天引きし、事業主が取りまとめて住民税を納付する方法。

○ 普通徴収——事業所得者や公的年金所得者など、給与から住民税を差し引くことができない人などを対象とした納税方法である。

2 固定資産税

課税対象は土地、家屋、有形償却資産である。土地・家屋については登記簿等の情報により課税され、有形償却資産については自己申告による課税方式をとっている。

① 賦課期日

 毎年1月1日に資産を所有するものに納税義務が発生する。標準税率は100分の1.4であるが、各地方公共団体が設定することが可能である。

② 固定資産税(土地)

街路に沿接する標準宅地の単位地籍面積当たりの、適正な時価に基づいて付設された価格に基づいて課税される。

なお、路線価には固定資産税における路線価と、相続税における路線価の2種類があり、固定資産税路線価については各市町村が算定し、相続税路線価については、財務省各国税局がそれぞれ算定している。

③ 固定資産税(家屋)

固定資産税(家屋)の評価は、「再建築価格」という理論上の建築価格を算出することで行われる。この再建築価額に1年分の経年減価率等を乗じて評価額とする。

④ 償却資産

償却資産は毎年行われる申告により資産台帳を作成し、それに基づき評価額を算定する。

都道府県をまたいで所在する資産(電力、通信、鉄道、船舶、航空機など)については総務大臣に申告し、市町村をまたいで所在する資産については、都道府県知事に申告することになっている。

3 事業税

事業税とは、税法で定められた事業(34業種、物品販売業から信用保証業等)を営む者「個人・法人」に対して課税される「地方税・直接税」のことである。平成16年度から「外形標準課税」が導入され、資本金が1億円以上の法人の場合は税率が引き下げられた。なお、外形標準課税とは、事業所の床面積や従業員数、資本金等及び付加価値など外観から客観的に判断できる基準を課税ベースとして税額を算定する課税方式のことです。

下のグラフは「総務省 平成28年版 地方財政白書 第1部 2 地方財政の概況」に掲載されている「市町村税収入額の推移」を表したグラフです。

このグラフを見れば、市町村税収入の約87%が市町村民税と固定資産税によって確保されていることがわかります。

以上で「第4章 市町村財源<1>——地方税」は終わりです。

次回は、「第5章 市町村財源<2>——交付税と補助金」について勉強します。