『実践 自治体財政の経済分析』(連載3)

今回はテキストの「第3章 市町村職員の給料」について学びます。

一般的に景気の良い時には公務員給与は何の話題にもならず(したがって私企業の社員よりかなり低い基準にある)、景気が悪くなると給与引き下げの標的にされる。

公務員の給与形態にはさまざまのものがあるが、これを比較しようとする試みにもさまざまなカラクリがる。

1 市町村の職員

(1)勤務形態による区別

常勤職員

非常勤職員、嘱託員

臨時的任用職員

任期付職員

(2)職による区別

地方公務員には一般職と特別職がある。

一般職地方公務員

特別職に属する職以外の一切の職をいう。

教育公務員

警察職員

消防職員

企業職員・技能労務職員(単純労務職員)

特別職地方公務員

特別職とは次に掲げる職であって、法律に特別の定めがある場合を除き、特別職である公務員には地方公務員法は適用されない。

1 就任について公選または地方公共団体の議会の選挙、議決もしくは同意によることを必要とする職。たとえば、都道府県知事、市町村長、議会の議員、副知事、副市町村長(助役)、行政委員会の委員など。

2 地方開発事業団の理事長、理事及び監事の職

3 地方公営企業の管理者及び企業団の企業長

4 法令、条例、規則もしくは規程等により設けられた委員及び委員会(審議会等も含む)の構成員の職で臨時または非常勤のもの(実務上は非常勤特別職と呼ぶ)

5 臨時または非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職

6 地方公共団体の長、議会の議長その他地方公共団体の機関の長の秘書の職で、条例で指定する者

7 非常勤の消防団員及び水防団員の職

8 失業対策事業または公共事業のため、公共職業安定所から失業者として紹介を受けて地方公共団体が雇用した者(ただし、技術者、技能者、監督者及び行政事務を担当する者を除く)

地方公務員の給与改定の手順

都道府県、政令指定都市及び特別区等の場合:人事委員会が、人事院勧告の内容及び当該団体の民間賃金動向等を総合勘案して勧告を行い、国の勧告の取扱に関する閣議決定を受けて、具体的な給与改定方針が決定される。

一般市町村の場合:国の取り扱いや都道府県の勧告を受けて、具体的な給与改定方針が決定される。

いずれの場合でも、議会の議決により、給与条例を改正することとなる。

2 ラスパイレス指数

これは、地方公務員の給与の国家公務員の給与に対する割合を表している。ただし、この比較に一般のボーナスにあたる期末・勤勉手当は含まれていない。

<各種の指数>

ラスパイレス指数

地方公務員の給与と国家公務員の給与にそれぞれ国家公務員の人数をかけて加重平均したものである。もともとは物価指数の計算方法である。

パーシェ指数

簡単に言えば、昔の生活レベルで暮らした時の生活費が今と比べてどうなのかというのがパーシェ指数で、今の生活レベルを保ったまま暮らした時の生活費は昔と比べてどうなのかというのがラスパイレス指数と言える。

フィッシャー(理想)指数

ラスパイレス指数とフィッシャー指数を掛けて、平方根をとったもので、前記2指数の平均と言われているが、現在はその意味が疑問視されている。

幾何学的に言えば、長方形を同じ面積の正方形にしたら一辺の長さはどうなるかというようなもの。

3 国と地方の違い

 ①国と地方の給与の違い

2010年4月現在のデータでいえば、国家公務員の平均給与月額は

400,402円

地方公務員は

404,386円となる。

また年間の人件費としてみた場合、国家公務員は年収

6,919,000円

地方公務員は

6,883,000円である

これは健康保険、年金の支払い分(雇用主支払い分)を含んでいる。

 ②国と地方の各職種ごとの人数の違い

各職種ごとの公務員の数は国と地方で大きく違っており、ラスパイレス指数の計算においては、国と各町村を比較することにあまり意味がないことになる。さらに国家公務員の場合、指定職(本省課長級、年収約1,500万円)以上は、ラスパイレス指数の計算から除外されていることにも注意が必要である。

 ③民間との給与比較

国家公務員の平均給与月額:400,402円

地方公務員の平均給与月額:404,386円

サラリーマンの平均給与月額:443,900円

これからみると、公務員との高低差はほとんどないと言える。

(金額データは2010年現在)

以上で「第3章 市町村職員の給料」は終わりです。

次回は、「第4 市町村財源<1>——地方税」について勉強します。