貨幣は公共財ではないの?(連載2)

第2回目は、「お金ってそもそも何だろう?」という話題です。

今回も教科書は

NPO法人日本未来研究センター理事長山口薫さんの著作

『公共貨幣』です。

さて、お金って何かと問いかければ、お財布の中や、ポケットの中から百円玉や千円札を取り出して、ほらこれがお金だよといえば、ああなるほどとわかったような気になるものです。まぁ、たしかにそれに違いはないのですが・・・・

でも、一万円札の原価は20円、千円札の原価は14.5円、百円玉の原価は25円と言われています。だから百円玉に百円の価値があるわけではないし、千円札に千円の価値があるわけではないのです。だとすると、物やサービスを交換するときの「価値を表す情報の基準」がお金ということになります。つまり、「お金」とは「価値尺度情報」ということなのです。

さらにお金とは何か?

ことわざに、「金のなる木」、「金は天下の回りもの」とあります。つまり、どこかから湧いてきたお金が世の中をぐるぐる回って、お金の世界が成り立っているということが、このことわざからわかります。お金がぐるぐる回るのと、ちょうど逆向きに商品やサービスがぐるぐる回っています。つまり「お金」とは健康な人間の体の中をめぐる血流のように「市場で財やサービスを自由に売買できる交換手段」だということです。

また次のようなことわざもあります。「金は三欠くにとどまる(義理を欠く、人情を欠く、交際を欠く人)」、「金と塵は積もるほど汚い」。つまりお金を回さずに溜め込むものが出てくると、世の中にお金が回らなくなり、たちまち血流は止まり病気となる。すなわち、世の中にお金が回らなくなり、不況となる、とことわざは教えてくれています。ここでわかることは、良くも悪くも、お金には「価値のフリーズドライ機能」つまり「価値保蔵」の機能があることもわかります。社会全般に将来に対する不安が広がれば、このお金の「価値保蔵」機能が優勢となり、社会の健全な発展は阻害される恐れも出てきます。

お金は社会の中をめぐることによって、財やサービスの活発な交換を通じて人々に幸せをもたらすことができる一方で、その幸せをフリーズドライにかけて溜め込み、将来の幸せに備えることもできます。しかし、溜め込まれたお金は以下のことわざが表しているように、人々を支配する道具となることもできてしまうのです。

「金の切れ目が縁の切れ目」·「金が言わせる旦那様」·「地獄の沙汰も金次第」·「金でツラを張る」·「金されあれば飛ぶ鳥も落ちる」

これらのことわざが表している世界は、まさにこの世の全てのみならず、地獄の審判をも自らに有利に変えてしまえるほどの力を持つ人間を生み出してしまいます。個人的な秘密や国家機密、または永遠の愛といったものまで、お金で売り買いされてしまいます。

以上をまとめると、お金が果たす機能は以下のようになります。

1.お金は価値尺度として機能する

2.お金は交換手段として機能する

3.お金は価値の保蔵手段として機能する

4.お金は権力の支配手段として機能する

今回は以上です。

次回は、「貨幣」全般について勉強していこうと思っています。